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輸送+保管で相乗効果

日刊工業新聞

 鋼材や橋脚、精密機械など重量物の輸送をしている。トレーラーなど約120台を保有し、呉や周南、北九州市など各地に拠点を置く。顧客の製品を預かる倉庫業も展開、輸送との相乗効果を見込み、開設を進めている。

 呉市の産業団地の阿賀マリノポリスで11月、倉庫を完成させ、天井に30トンまでの重量物を運べるクレーンを取り付けた。大森栄作社長(62)は「クレーンがある倉庫は珍しく価格競争に巻き込まれずに済む」と説明。新型コロナウイルス過の中でも工作機械メーカーの利用が決まった。

 同様の倉庫は千葉市の産業団地でも建設中来年2月末に完成する予定。保管や輸送などを一括して請け負い、業務効率化を目指す。大森社長は「時間短縮で従業員の働き方改革になる」と強調。人材の獲得にもつなげたい考えだ。

 呉市内の一般家庭に炭やまきを運んでいた父の故博夫氏が、1962年に設立した。平成に入り、自動車のボディーを運ぶためにトレーラーの導入を進め、会社を成長させた。荷物への衝撃を和らげるエアサスペンションを装着した車両も購入し、精密機械の輸送も手掛けた。

 栄作社長は2019年6月、兄で社長だった才喜氏からバトンを継いだ。会長に就いた才喜氏は翌月、亡くなった。コロナ過で売り上げが減少していく中、栄作社長は「暗中模索だった。会長と一緒に仕事をやっていく思いだったのに…」と振り返る。

《会社概要》

 本社は呉市三条。呉や周南市などに営業所、北九州市などに倉庫、山陽小野田市に配送センターをそれぞれ構える。

 2021年5月期の売上高は57億9千万円。従業員は約170人。

 苦境に対応できたのは「従業員のおかげだ」と感謝している。「コロナ収束後、生産活動は元に戻り、物流は必ず回復する」。全社一丸となって事業を進めていくつもりだ。(東谷和平)

2021年12月08日